歴史ウォーク 3

 竹内街道を歩く 約6km

応神天皇陵古墳
 
 

(その1  竹内街道とその周辺)

 竹内街道は古代の道、丹比道(たじひみち)に源を辿ることができ、『日本書紀』推古天皇21年(613年)「難波より京(飛鳥)に至るまで大道(おおじ)を置く」と記された"大道"に推定され、日本で最古の官道と呼ばれています。
  →現在の竹内街道は、大部分は推古天皇時代の官道と重なっている。
 その行程は、堺市役所付近から始まり松原市、羽曳野市、太子町から竹内峠を越え、奈良県葛城市の長尾交差点まで約26kmの街道である。

 羽曳野市、太子町周辺の南河内地区は、都(大和)より“歴史ウォーク2”で記した「西方浄土」と呼ばれ、古来より古墳、陵墓等の遺跡が数多く残っているため、また河内木綿の積出港としての船便の発着場が現在の国府から古市周辺にあり、かなりの往来があったと推定されている。船便荷物の集積場として賑わっていた古市には代官が常駐し、現在は駐車場となってはいるが「代官屋敷跡」(案内看板のみ)も残っている。また、「西琳寺」より南に下った“ポケットパーク”の街道を挟んで西側を正面として、現在は数軒の住宅となって無くなっているが両替商「銀屋」もあり、繁栄をもたらしていたようだ。

 古墳時代より飛鳥時代は、遣隋使や留学僧が堺の港と都を往来し、大陸から中国・朝鮮の文化をもたらし、中、近世においては経済道、信仰道(→伊勢街道)として賑わい、近世においては「大和街道」、「堺街道」ともよばれていました。江戸時代には、松尾芭蕉の一時の住居地(竹内集落→奈良県葛城市)となったこともあり、古代からの長い歴史を持つ街道として、地名や史跡、寺社、道標にその痕跡を見ることができます。

茅渟道(ちぬのみち)
 日本書紀の大化五年の条に出てくる古道の『茅渟道』は、河内国南部を東西に通り、大和と和泉を結ぶ道である。太子町春日(角屋跡で竹内街道と分岐する)より富田林喜志を通り平尾、黒山から日置荘、関茶屋を経て和泉に至る道と推定されております。(これは、前回で説明するべきものでしたが、竹内街道に接しているためここで紹介します)

(その2  ウォーキング経路)

 平成22年11月2日(火)好天のもと、羽曳野市役所を起点とし近鉄南大阪線「駒ヶ谷駅」を終着点におき旧街道(竹内街道)を辿るかたちで、一般参加23名を含む総勢32名でのウォーキングとなった。

 午前9時過ぎに泉南市商工会の2名が当商工会に来られ、担当者と共に集合場所の羽曳野市役所へ向かう途中、翠鳥園の古代遺跡(約2万年前の石器時代)に立ち寄り、遺跡公園を見学し写真撮りなどをして墓山古墳を見ながら市役所へ到着。解説をしてくださる史遊会と落ち合い、一般参加者23名の受付を行なった後、10時より二手(羽曳野市役所屋上と羽曳野市文化財保護課展示室)に分かれて見学をする。
 羽曳野市文化財保護課展示室は平日公開しているが、事前予約が必要なため普段は立ち入れない。古墳時代に興味がある方々には、興味がそそられる埴輪や副葬品が展示されてある。羽曳野市役所1階ロビーには「西琳寺」境内跡より発掘された"鴟尾(しび)"が常設展示(現在は、陵南の森公民館歴史資料室に展示)されている。屋上からは、四方に拡がる古墳群や史跡、寺社が見渡せ一大パノラマとなっている。

 今回のウォーキングコースを辿り、誉田白鳥遺跡(埴輪窯跡)、白鳥神社、西琳寺、銀屋跡 − 現在は一般住宅となり昔日の面影はない −、金比羅大神宮等々を辿り、臥龍橋を渡り石川河川敷を上流に向かいながら石川河川公園に入り、ここで昼食を摂り午後からのウォーキングに備え休憩をする。
 午後からは、直接グレープヒルスポーツ公園・大谷古墳群へと向かい山登りが始まる。標高差で40〜50m位なのだが、舗装路で少々足に来る上り下りが続き公園内へと入っていく。入ってすぐ左手に大谷古墳群があり、2号墳は発掘されたそのままの位置にあり、その他の古墳(3号墳・6号墳等)は移設されて古墳群を形成している。その説明掲示板に"海賊船"との大きさの対比が示されていたが、その"海賊船"は何処に?古墳群史跡頂上の四阿(あづまや)に登ってみて初めて確認がとれた。東北方眼下の広場にその"海賊船"が鎮座しているではないか。
   −もう少し解りやすい説明掲示を行なって欲しいものだ。−

 企業見学は(株)河内ワイン『河内ワイン館』(羽曳野市駒ヶ谷)に行き館内を案内され、また歴史説明や試飲もあり参加の皆さんは楽しまれたようです。午後4時ごろ、「駒ヶ谷駅」前にて解散しました。


 

 西琳寺跡の"鴟尾(しび)"



誉田白鳥遺跡(埴輪窯跡)
 


白鳥神社

ありし日の銀屋

 銀屋跡前の小公園

杜本神社

金剛輪寺跡


 
河内ワイン館
 
 

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